【カオス】USBのタイプと種類。形状、規格の違いをまとめてみた。

この記事では、USBの形状と規格の違いに焦点を当て、各タイプやバージョンの速度と機能の進化をなるべく 簡潔に整理していきたいと思います。

まずは形状です。一般的にはUSB Type-A、USB Type-B(2.0)、USB Type-B(3.0)、mini USB、Micro-USB、Micro-USB b、USB Type-C の7種類となっています。一口にUSBと言ってもその形だけで(形以外にも分類があるのでまた厄介なのですが、そのへんは後述いたします。)こんなにあるので、充分混乱するに値いします。家の物置に様々な形状のケーブルがゴチャゴチャになって困っている人も多いのではないかと思います。「コレ何のケーブルだっけ?」と困らないように各形状を写真つきで説明していきますので、お家でのケーブル整理に役立ててください。

1.USB Type-A:最もポピュラーで、長年見てきた形状ではないでしょうか。あまり機器に詳しくない方にとっては、この形だけがUSBと思っておられる方も多いと思います。約30年前に最初に登場したUSBから採用されている形状で、最初はマシンホスト側のコネクターは必ずこのタイプで統一されていましたが、現在では徐々にUSB Type-Cに取って代わってきています。様々な転送の規格に対応しているために、ホストマシン、、ケーブル、周辺機器の転送速度や、やり取りする電力を統一するのに、一番扱いに困る形状と言ってもいいかもしれません。なお同じ形状でもより早い転送速度を持つUSB 3.0に対応する機器では差し込み口の内部部品が青色にされていることが多く、従来の(遅い方の)規格であるUSB 2.0とを見分けるポイントとなっています。(上の写真参照)

2.3.USB Type-B(2.0)、USB Type-B(3.0):下の写真左側がUSB Type-B(2.0)です。上辺の角が斜めにシェイプされた、正方形に近い形状をしたタイプです。パソコン外部周辺機器側のコネクターとして長く使われてきましたが、後年microUSBにその座を明け渡します。右側がUSB Type-B(3.0)、従来のUSB Type-Bより転送速度が早いタイプとして登場しましたが(USB 3.0に対応しているのですが速度に関しては後述いたします。)、ライバルのmicroUSBの台頭であまり普及しなかったと言っても良いでしょう。このUSB Type-Bの形状も現在ではUSB Type-Cへと移り変わっています。

4.mini USB:デジカメやビデオカメラ、など比較的小型の接続機器のために開発された形状です。広く普及したmicroUSBと一見形が似ていますが、microUSBよりも分厚いので慣れれば簡単に見分けられます。このタイプもmicroUSBの影に隠れてあまり普及しなかった印象があります。

5.micro USB:USB Type-Cが普及するまで、その勢力を存分に拡大してきた、ひと世代前のエースと言っていい形状です。(実際にはこの形状はMicro Bと呼ばれるもので、あまり普及しなかった同サイズで長方形のMicro Aというものも存在しました。)アンドロイド携帯や、多くのパソコン周辺ガジェット、小型家電まで数多くの機器に用いられてきました。現在では新しく発売される機器などには用いられず、USB Type-Cに置き換わっています。

6.Micro-USB b:Micro-USBの横に無理やり小さな長方形をくっつけたような形状をしたタイプです。使用用途は外付けのドライブなど限定的です。個人的にはバキッと壊れやすい印象で、実際に何度か外付けハードディスクのケーブルのみを買い直しました。なんともトリッキーな形状で、従来のMicro-USBの”足らず”を補うための「苦肉の策」感が伺えます。

7.USB Type-C:USB Type-Cは、さまざまなデバイス間の接続を容易にするために設計された、一番新しい形状のUSBです。従来のUSBコネクタよりも小型であり、デバイスの厚みやサイズを削減することができます。また、逆差し可能なデザインなので、コネクタの向きを気にすることなく簡単に接続できます。特にUSB Type-Aでよく起こる裏表を間違えて刺さらなくてイライラする問題を解決してくれたのは実に大きいと感じます。また、USB Type-Cでは形状以外の面でも大きな革新をもたらしました。転送速度面では後述するUSB 3.1やUSB 3.2の規格をサポートし、最新のUSB4という規格では40Gbpsの高速データ転送が可能となっています。これにより、大容量のファイルやビデオストリームを迅速に転送できます。電力供給の面では、USB Power Delivery(USB PD)規格をサポートしています。USB PDは、最大で100Wの高出力電力供給を可能にし、急速充電や電力の双方向供給ができるため、よりパワフルなデバイスの充電や接続が可能です。今発売されているMacを始めとするノートパソコンも今ではこのType-C一本で充電できるものがほとんどです。更にデータ転送や充電だけでなく、ビデオ出力やオーディオ出力、ディスプレイ接続、イーサネット接続など、さまざまな機能を1つのコネクタでサポートしています。これにより、1つのUSB Type-Cポートで複数のデバイスやアクセサリーを接続できます。また、他のUSB規格やThunderbolt 3との互換性も持っています(Thunderboltについてはまた勉強して記事にしますね)。将来的には、USB Type-Cがさらなる普及を促し、デバイス間の接続をより簡単で効率的にすることが期待されています。

以上7種類が、大まかに分類したUSBの形状ということになります。ココまでの形状の話だけで頭が痛くなっている方も多いと思いますが、次はよりカオスを産むことになった速度と規格の分類です。(そもそもこの形状の話と速度の話と2つの分類があるからUSBはややこしい)

転送速度面から見たUSBの規格には以下のようなものがあります。

  1. USB 1.0/1.1:
    USB 1.0/1.1は、初めて登場したUSB規格です。最大で1.5 Mbpsのデータ転送速度を提供し、シリアルポートやパラレルポートに代わる接続手段として革新的な役割を果たしました。
  2. USB 2.0:
    USB 2.0は、データ転送速度を大幅に向上させ、最大で480 Mbps(60 MB/s)を提供します。この高速な転送速度により、デジタルカメラや外付けハードドライブなどのデバイスがより効率的に使用できるようになりました。現在でもこの規格は様々な場所で利用されています。※ココで詳しくない方のためにちょいと豆知識:上記の480Mbpsは毎秒480メガビットという意味です。ビット(bit)とはデータの最小単位で8ビットで1バイト(Byte)になります。このバイトの方はハードディスクやSSDの容量、スマホの月間使用データ量などでよく使われますね。ちなみに回線の速さなどに使う方はビットの方でLANの回線でよく見られる1Gbpsっていうのは毎秒1ギガビットのデータ転送量ということになります。1ギガ=1000メガなので1000÷8=125、つまり毎秒125メガバイトのデータ転送という表記と同じ意味になります。(ややこしかったら読み飛ばしてください。)
  3. USB 3.0 (=3.1 Gen 1 =3.2 Gen 1):※GenはGENERATIONの略で「ジェン」と呼ばれています。より細かな世代のことです。
    USB 3.0(またはUSB 3.1 Gen 1)は、さらなる速度向上をもたらしました。最大で5 Gbps(625 MB/s)のデータ転送速度を提供し、高解像度のビデオや大容量のファイルを迅速に転送することが可能です。USB 3.0 = 3.1 Gen 1 という所で???となる方が多いと思うのですが、元々展開された3.0のあとに3.1が開発された際、なぜか3.0のことをGen1と呼ぶようになるという私達素人には不可解で混乱を招く名前がつけられたようです。
  4. USB 3.1 Gen 2 (=3.2 Gen 2):
    USB 3.1が開発された際に、3.0を3.1Gen1と呼ぶようになったものですから、USB3.1はなぜかはじめからGen2です。なにか複雑な理由があるのかもしれませんが、このあたりの分類の仕方がもう混乱の極みです。USB 3.1 Gen 2は、更なる速度向上をもたらしましています。最大で10 Gbps(1.25 GB/s)のデータ転送速度を提供し、高帯域幅のデータやビデオストリームを効率的に扱うことができます。
  5. USB 3.2 x2:※ x2 というまた新たな呼び方ですが、2レーン接続という技術を用いて転送速度を倍にしたという意味です。
    USB 3.2は、さらなる転送速度の向上を目指し、最大で20 Gbps(2.5 GB/s)のデータ転送速度を提供します。この高速な転送速度は、4K/8Kのビデオ編集や大容量のファイルの転送などの要求に応えることができます。
  6. USB4 Gen3 x1、USB4 Gen3 x2:
    USB4は、Thunderbolt 3技術を統合し、最大で40 Gbps(5 GB/s)のデータ転送速度を提供します。」(x1はシングルレーンなので20Gbps。x2はダブルレーンで40Gbps。) USB4は高速データ転送と多機能性を組み合わせ、高性能なデバイス接続を実現します。

どうでしょう、転送速度の革新とともにバージョン名が名付けられて、特に3.X以降の世代では名称で大きな混乱が生じます。もうこんなもの覚えきれません。簡単にするために「Gen1=5Gbps、Gen2=10Gbps、Gen3=20Gbps、x2がついたらその2倍」と覚えておくと3.Xや4の表記に惑わされずにすみます。まったく、どうしてこんな事になったのでしょうね。

いかがでしょうか。USBの形状や規格は時間とともに進化し、速度や機能性が向上してきました。Type-AからType-C、USB 1.0からUSB 4までの進化により、デバイス接続の容易さと効率性が向上し、高速なデータ転送や充電、マルチディスプレイのサポートなどが可能となりました。最新のUSB規格であるUSB 4は、40 Gbpsの高速データ転送と多機能性を提供し、今後のテクノロジーの発展において重要な役割を果たすことが期待されます。

長文お付き合い有難うございました。

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